あれは10月、小布施に行ってきた。

少し前になってしまったが、古本市3連チャンが終わったその週末の10月23日、24日に長野県は小布施に行ってきた。たくさん働いたし、ちょっと旅行がてらこの両日開催される一箱古本市を見て来たいと思って立石書店の岡島さんに話したら「行ってもいいけど」と言ってくれたので決行することに。丸三文庫の藤原も行くことになり、岡島さんの車にて3人で小布施行きが決定となったのである。


小布施は前から興味があった。南陀楼さんが書いた小布施での一箱古本市レポートをなにかで読んだのが最初で、『一箱古本市の歩きかた』でも、派手なイベントより気になった。小布施町立図書館は「まちとしょテラソ」という名前で凄い施設とも聞いたし、館長の花井さんは民間からの起用で、映像関係の仕事から転身したのだという。いろいろ気になっている時、仙台でその花井館長と会うことができた。今年のBook! Book! Sendaiにいらしていて、犬山の「痕跡」怪人・五っ葉文庫の古沢君が紹介してくれて挨拶した。その時の花井さんの印象がとても良くて、一見怪しい業界人ぽくもあり(すんません)でもなんかとてもフリーな雰囲気の方。なにが、と言われると詳しく答えられないのだが、また会いたいな、と思った。そんなことも思っていたし、そのゴッパ(古沢君のことね)が今回小布施でライフワークの「痕跡本ツアー」のため来るというし、知り合いの徒然舎・廣瀬さんも参加するという。そんなことに後押しされて行くことになったのだ。


23日、朝8時に早稲田出発。しかしまぁ渋滞なのですよ。藤原と中学生のような会話をしながら途中のサービスエリアで軽いもん食ったり飲んだりしている。予定より遅れて午後2時近くになって小布施到着。街の中心は北斎館や土産屋があり、観光地としての顔がある。ちょっと道をはずれるとそこはもう山景色の下にりんご畑のような風景が広がる。地図を見て臨時駐車場へ止める。そのまま会場目指していると、あれ?そこにイベント用の専用駐車場が・・・。まぁいいかとそのまま歩く(後で聞いたら「まぁ、どうにでもなるよ!」と花井さんの御言葉。全体的に南米チックでマジ素敵な土地である)。ちょっと歩くとなにやらワサワサした公園が。手前の広場ではフリーマーケット、横の路地では骨董市や屋台。そしてなぜか、柵に囲まれてたくさんいるウサギちゃんとヤギちゃん。その横に・・・古本市が!! ステキすぎる! このあたりでやっているのは、信州おぶせ緑のかけ橋まつりというものらしい。なかなかのにぎわいだ。歩いて行くとゴッパが話している! 痕跡本のトーク中らしい。聞こうとしたら・・・終わった・・・。あっ、徒然舎の廣瀬さん夫婦に挨拶してから、花井館長に挨拶。ゴッパが「遅いですよ〜」と。しょーがねぇだろ! ウサギと戯れ、軽く一箱を見る。10人ぐらい参加の小さな古本市。とりあえずグルグルまわろうということで、別会場の秋の味覚祭へ行くことにした。


少し歩いて6次産業センターへ。こちらは小布施だけじゃなくていろんな地域の物産も売っている。なぜかマグロ解体ショーが。小布施栗のアイスを食す。うまーい。ブラブラと戻る。会場へ戻るともう終了間際。階段下の方の箱を見ると、とてもいい本が並んでいる。値段を見るとメチャ安い。映画関係が多いので、藤原を呼ぶ。藤原、めちゃ買い。終了間際なのにこれが残ってるのはもったいない。東京だったらすぐに空っぽになりそうな品ぞろえだった。そういうところが面白い所。店主の方と少し話している間に終了時間。花井さん、まちとしょテラソへ戻ると言うので、行って案内してもらうことに。ゴッパ号に乗って駅近くの小布施町立図書館「まちとしょテラソ」へ。


まずは、まちとしょテラソ(http://machitoshoterrasow.com/)を映像で見てください! 花井館長も出てくるYO!


とにかくかっこいい。見晴らしいい。なによりこの図書館、BGMがかかってるんですよ。さらにペットボトルOKで、カウンター横では食事してもいいカフェカウンターまである(「おばあちゃんが漬物食べてるよ」と花井さん)。靴を脱いで入る児童コーナーもあり、堅苦しさがまったくない。図書館なんだけど、街のコミュニティ施設でもある。いろいろ面倒なこともありそうだが、花井さんは張り紙をしない方針なのだとか。必ず人と対話する。いろんな説明を楽しそうに語る花井さんはマジかっこいい。落合恵子さん選定の絵本は凄い品ぞろえ。むしろ大人が喜びそうな。近くにあったら、子供は嬉しいだろうな。ていうか藤原が子供ばりに連想検索機とかタッチパネルで遊んでるし・・・。


7時から交流会。近くの「つくし」という呑み屋にて。普通の和的な空間だが、最初に出てきたのがパン! だが、この店すごいわ。出てくるものがどれも半端なくうまい。うまいのレベルが高い。煮込み、刺身、その他の料理、満足度200%。ゴッパと並んで花井さんの話を聞く。ゴッパがしきりに小布施移住させられそうになっているのが楽しい。なぜか藤原が次期市長を狙っているという話になったり(市長になると飲み会まわりで寿命が縮むという噂)。でもやっぱりゴッパもそうなんだけど、熱く語る人いいなぁ。ちょっと花井さん教祖っぽいとこもあって俺まで一瞬「移住しようかな・・・」とか思っちゃったよ! 終電が早いので10時ごろ解散。


花井さんに駅まで送ってもらう。このあたりで宿を取れなかったので、長野まで行かねばならない。ゴッパが酔っぱらって地べたで寝ている。めんどくせー。と思ったら電車が来る直前にアジア系の男が「カネ、タリナイ」とかいって券売機のところで不審な行動を。もうひとり来た。完全に酔っていてからんでくる(ソフトに)。聞いたらタイから来ていて、今は小布施で働いているそう。この終電に乗って繁華街に遊びに行くとのこと。さっきまでデロデロになっていたゴッパが突然「なんか面倒なことになりましたね」と。お前が言うな! 結局長野まで一緒に話すことに。日本で働くのはつらい、とか話している時はよかったのだが、藤原が「タイに彼女いるの?」と聞いたら何を勘違いしたのか「タイノジョセイ、ヤスイ。ニホンデヒトリブン、タイナラゴニンアソベル」とか話しだす。怒られるよ! ていうかマジめんどくさい! 彼らは長野前で下り、自分たちは長野駅前のホテルへ。みんな疲れたのかすぐに寝てしまった。自分は部屋でボンヤリしてたら、仙台の北斗晶こと火星の庭の前野さんから電話。いろいろと長電話してたら朝方4時に! なにしてんだ俺!


24日。一箱に今日も参加のゴッパは先に小布施へ。自分たちはチェックアウトぎりぎりまで寝てのんびり小布施へ。今日はのんびりまわりを観光。神輿が出ていたりなんだかすごいことに。昨日も行った収穫祭でお土産を購入。リンゴとか諸々。ここでカップ一杯200円の焼き栗を2杯分買ったのだが、なんだかもう適当な感じであきらかにカップ10杯分ぐらい袋につめてくれた。しかしなんというか、なめていた。小布施栗、めちゃくちゃうまい。こんな栗食べたことないもん。濃厚。その後、中心地にいって栗どら焼きとかお土産買って、混む前に帰ることにする。なんか、短かったけど楽しかったなー。さて、車まで・・・と歩いていると、んっ、茂みから公園をのぞいている男二人・・・昨日のタイボーイズじゃん! 声をかけたら今日はずいぶんおとなしい。「写真撮ろう!」と藤原を真ん中にいれて記念写真パチリ。帰り、道の駅・雷電くるみの里へ寄ったのだが、ここで売ってる「くるみおはぎ」はちょっと半端ないうまさ。なんで土産買わなかったんだろ・・・(あとで岡島さんのやつ少しもらって気付いた)。あとはもう、ほとんど自分は寝ていたため、書くことがないっす・・・。


とにかく花井さん、ありがとうございました。聞かせてもらった話には凄いものもあり、小布施の「本」に関するプロジェクトは急激に進化していくような気もします。今度は本を持っていきたいなぁ。どうしても書いておきたかったので、今頃の報告となりました。ビバ、小布施!!


こちらの本で花井館長が紹介されています。ぜひ!

しあわせな仕事の見つけ方、つくり方 ?共感・応援の時代の仕事道? (ワニプラス)

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