日記 10月1〜7日

【10月1日】
以前だったら穴八幡宮での早稲田青空古本祭の初日。やっていたら快晴でいい日だったろう(昨日の台風対策で搬入とかは地獄だったと思うけど)。開店してとりあえず先日買取してきて仕分けたもののうち、ネット入力用のものをひたすらアップする。ていうか、それしかやってないから書くことない…。店は大学が動き出したなーという感じで良い。2〜3冊の本を買ってくださるお客さんが多いと嬉しいし。
閉店後、歌舞伎町。ぶんご商店。呑み仲間のKちゃんが話あるっていうから何かと思ったら結婚して岩手に引っ越すのだとか。そうかぁ、よかったなぁ。いろいろあったけども、嬉しいです。なんとなく、もう会えない気もするけど、そんなこと考えずにひたすら呑む。
帰ってきて、もうちょい仕事しようか迷ったけど、やめた。飲みたくなって、強炭酸水を買って歩きながらぐびぐびと。少し肌寒くなってきた。


【10月2日】
開店して、ひたすらネット入力。たまに飽きてyoutubeゴルゴ13を観たり(飽きるなよ!)。あまり表で言えないが、今日はいろんなことが好転した。ありがたい。
エロ漫画編集者の塩山さんから大量の栗が届いた。近所に配ったらめちゃくちゃ喜ばれた。塩山さん、ありがとう。
閉店後も入力したり、本の整理したり、ゴルゴ観たり(しつこい)。今日は仕事三昧でした。


【10月3日】
開店まえに昨夜荷造りしたネット注文品を郵便局へ出しに。 帰り、信号でスポーツバッグの中で手を激しく動かしている男性がいたんだけど、横目で見たらバッグの中でカップ焼きそばをかき混ぜていた。なぜバッグの中!
開店後、LOFT9関連の連絡を。その後、またひたすらネットへの本のデータ入力作業。なかなか終わらない 。
閉店後、歌舞伎町。稲荷鬼王神社にお参り。昨夜、投身自殺に通行人が巻き込まれたビルの前を通る。ついみんな上を見る。しょうがない…。ある方とホルモン焼肉の芝大門夏冬へ。安くて美味い店。ホルモン中盛りが2200円。これ頼めば充分。軽く仕事の話。
帰ってきたら自宅マンションに近くの日、汚水桝の修復工事をやるからその日は結構長時間全ての排水が不可と。エレベーターの中の張り紙に「無理だ」と書かれていた。


【10月4日】
雨。やる気なくなるわ…。とりあえずネット入力の続き。店は暇なんで捗ります。夕方、終わる。岡島さんから連絡あって、明日、月曜日の業者市に出品する荷物あるなら預かるけどと言ってもらったので、最近仕入れた中からいらない本を縛って準備。半分終えて閉店。
先月から発売を楽しみにしていた本があって、それは鈴木智彦さんの『サカナとヤクザ』(小学館)だったのだが、今日なぜか献本いただいてしまい。恐縮です…。で、夜は出かけず、自宅でひたすら読む。アワビ、ナマコ、うなぎ。流通しているこれらの約半分がすべて密漁によるもので莫大な金が裏社会に流れているという。わかりやすい覚醒剤などではない、一般市民に近いところで行われているシノギの全貌。まだ読み始めたばかり。楽しみ。


【10月7日】
忙しくて放置しておりました…。ロフト9ブックフェスありがとうございました。少し振り返りたく。トーク1はダースレイダーさんと文月悠光さんによる言葉についてのトーク。ラッパーと詩人、お互いに言葉を主軸としながらもかなり使い方は違うのでは、それはどう違うのか、という難しいトークで、特に文月さん、よく受けてくれたなと思います。ダースさんは杉作さんの映画「仁侠秘録人間狩り」に出ているのを観て気になったのが最初で。まだラッパーだと知りませんでした(ラップに興味ある人たち以外にはまだ無名だった宇多丸さんも出演している)。その後、現在のラップブームの礎のひとつであろう「高校生ラップ選手権」のレフリーとしても活躍、そのジャンルレスな感じがとても好きでした。文月さんも最初にイベントオファー出した時はまだ学生で、ミスIDに出るのもその後でした。文月さんもまたジャンルレスな面白さなんですよね。だから誰でもいいわけじゃなくてこのお二人だったわけで。早くも1週間後の14日にはライブでセッションが実現していて。そういう感じにつながって何かしてもらえるのはとても嬉しいですよね。
トーク2は「孤高の遠吠」「全員死刑」などの若き鬼才、小林勇貴監督とテンテンコちゃんのトーク。同い年、というだけで明確なテーマが無いトークで分かりづらいんだけど、それでやりたかったんすよね。お二人とも場所とか関係なく自分の「好き」に忠実なところがかっこよくて。境遇に言い訳せず、面白いものを提供していく姿勢というか。ただこの二人を会わせたいという独りよがりな企画ではあるんだけども。でもやっぱりとても気があう感じで。最後もなかなか終わらなくてちょっと焦ったり。終了後、二人とも「めちゃくちゃ楽しかった」と言ってくれて。それだけで自分は嬉しいす。本当の意味でのインディーズ魂のあるお二人。これからが本当に楽しみです。
トーク3は「覚醒めよ!2」。まさかの石丸さん脳卒中で出演できずで、めちゃくちゃ焦ったんですが、ケロッピーさんが緊急で引き受けて下さり。本当に助かりました。このトーク、事前打ち合わせ無かったのでカンパニー松尾監督はここで初対面でした。自分は純粋に監督のドキュメント感が好きなのでウキウキしてたのですが、なんというか人として色気があって。
とても面白いトークでしたが、脱線が本道という石丸さんバージョンも聴きたかったな…。石丸さんは本当にトークの天才だもの。まさに「ライブ」なんだよなー。それにしても、改めて写真みると特濃ですね。みなさん大好きです。
姫乃たまちゃんの蔵書販売「たま書店」。しかし、よく売ったなー。大きなダンボールふたつ持ってきて、残ったの小さな紙袋ひとつぶんだったし。普通に買いたい本いっぱいあったからな。たまちゃんは知ってる人は知ってるけど、棚から本が溢れ出しちゃう系の本好きなんです。自らちゃんとメディア化できている人がいい本持ってきたらそりゃ売れる。来年の4月いっぱいで「地下アイドル」はやめると宣言したたまちゃん。あまり知らないと「アイドル」って言葉で思考停止されちゃう場合もあるし、仕事したことある人はみんなわかってるであろう、姫乃たまのクリエイティブはまだこれからなんだという実感とか。 これからも圧倒的な「今」を見せて欲しい。
チャージバックの清算を終えて近くの安酒場に、北書店佐藤さん、姫乃たまちゃん、映像作家のALiさん(岸野雄一さんのヒゲの未亡人メンバーでもある)と近場の安居酒屋で打ち上げ。始発で新潟へ帰る佐藤さんと朝まで飲んだ。
今回、最初のトークで動員ができず、お客さんの流れを保てず、特に圧倒的に人数の多いラストのトークのお客さんの流れが無い時間に終わってしまうフリマ枠の方には申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
そう考えると本当にこのイベントは自分みたいななんとなく斜に構えてしまう人間には難しいなぁと思う。実際にはイベントでの動員というのは、わかりやすくハートフルな本好きに訴える、普通に単純ないかにも「本」というラインナップにすれば比較的簡単なわけだが、それはたくさんの人がやっているし、自分はできる限りそういう枠を作らないでやりたいという中二病的な人間なんでどうしても難しい。勝手に自分でややこしくしてしまう。でも、3年間このイベントで好き勝手にやらせてもらって、なんとなく一段落した気もする。あと、姫乃たまちゃんの在り方を見ていて、もう少ししなやかなカウンター感でもいいなと思い始めた感じもある。いつも優しい言葉をかけてくださる参加者の皆さんの気持ちに甘えず、また違う形も模索していきたい。
成宮アイコちゃんの声がけで始まったイベントだが、この歳でこれだけいろんな感情を与えてくれる機会をもらえて、本当に感謝している。また、チャレンジしたい。