地元

日曜日。いつもは静かな高田馬場の日曜日。だが、早稲田祭があるので朝から賑やか。ブリーフ1枚で全身白塗りのヤング麿赤児まで。棚をひとつ丸々入れ替える(文庫は昨日総入れ替えした)。開店。


スポーツ新聞を持ってきた某氏、「神田うのが日拓の社長と結婚? そうかぁ、じゃあ今日はお祝いで日拓まで打ちに行くか!」と。何もなくても行くんでしょうが!


一回入って3時間休み。自宅へ戻り、川本三郎『東京の空の下、今日も町歩き』を読み始める。が、なかなか進まない。15頁ほどで閉じる。またいつか、ということで一度棚へ戻す。残り時間は寝た。


なにごともなく8時閉店。今日も目標達成。いつもこんな余裕ある気分で最終日を迎えられるといいんだけど。


いつもより1時間早い閉店時間なので、ちょっと出掛けることに。池袋まで。まず、リブロで冨田均『東京坂道散歩』を購入。新聞連載というサラッとした読みごたえと、1300円+税という値段の良さ。ようやく今日買った。早稲田近辺も夏目坂(夏目漱石の夏目だ)、穴八幡横の八幡坂、かつて早稲田野球部のグラウンドがあったグランド坂が掲載。八幡坂の項には、著者が本田靖春さんとこの坂を上り歩いたエピソードが。この中に「早稲田通りを歩いていると昭和初期の造りらしい豆腐店があった」とある。購入して近くの地蔵前で食べあったとある。この豆腐屋はかつてうちの店の目の前にあったものだ。木造の味のある建物だった。現在の〈一風堂〉の位置だ。豆腐屋さんは現在、このビルのオーナーさんである。


ジュンクへ移動。堀井憲一郎『若者殺しの時代』を購入。欲しいと思っていたけどずっと保留していた本。昨夜読了した『「街的」ということ』に引用されていて購入を決意。それにしても「街的」は面白かった。『早稲田古本屋街』を書いた後だけになおさらだ。本の中心部分とは違うのだが、最初の方に、地元というのは行政区画的に区切られるものではなくその行動範囲による、というような(正式じゃないです、今、本がないから)記述があり考えさせられた。地元(住んでいるところ)=早稲田、というのはつまらない発想だったのである。新宿や池袋もやはり生活行動において地元的な位置にある(でもその中間の大久保、目白は地元感がない。なぜだろう)。店なんかも、地元間の関係性だけではなく、もう少し広い「地元同士」の間で個人的な関係性の引っ張りあいがあるのだろう、きっと。そういう視点で早稲田の歴史をもう一度考えてみたい。『早稲田古本屋街』において新宿と早稲田の戦前の関係は調べたけど、その逆方向・池袋は何も知らない。急に気になってきました。そういえばジュンクのPR誌「書標」11月号の「著書を語る」は江弘毅さんでした。


なので帰り、往来座に寄ってブログで知った豊島区立郷土資料館のパンフ「えきぶくろ 池袋駅の誕生と街の形成」と「ぞうしがや 鬼子母神門前とその周辺」を買おうと思ったら、プレゼントされてしまった。いつもすみません。


また読むものが溜まった。明日はBIGBOX最終日。7時までです。