週刊現世 創刊2号

追跡スクープ!
外市」ゲスト店舗は「杜の都」のあの店だ!


 第一回古書往来座外市の開催決定は前号でお伝えした。しかし、この外市には
ゲスト参加店が毎回参加するという話を聞いたところで取材時間がなくなり、前号ではそのゲストがどの店舗なのかは特定できなかった。往来座店主・瀬戸氏の発言から、向井氏が地方の古本屋と交渉しているという情報は得ることができた。そこで取材を続けていると、全く違う筋からある情報が入ってきた。
「ある本のイベントで、直前になってトラブルがあり、大量の参加者が急に参加できなくなったそうです。地方の書店さんも入っていましたね」(業界関係者)


なんとなく気になり周辺をさぐってみると、その「地方の書店」と向井氏の接点が見えてきた。かつてその店舗は不忍ブックストリートの定番イベントとなった一箱古本市を、ある都市の、自分の店で開催したことがある。その際に宣伝依頼をした一人が向井氏であるというのだ。細い糸ではあるが接点はある。取材を続けると、決定的な証言を得ることができた。
「あれは1月の11日ごろだったと思います。私が現世に行くと、向井さんが電話で話していました。『参加していただいて助かります』と言っていました。はい、相手方の名前も聞きました。何回も言っていたので間違いありません。向井さんは『前野さん』と言っていました」(某古書マニア)


線はつながった。前述の書店の店主こそが「前野氏」なのだ。”杜の都”仙台のブックカフェ、「火星の庭」店主の前野久美子氏である。
火星の庭は2000年にオープンしたブックカフェです。店主の前野さんの経歴は凄いの一言です。太宰の生家「斜陽館」、六本木の京料理店、ドイツ・フランクフルトの日本食レストラン、ヴィレッジバンガードなど多種の職業を歩んできています。そのあたりのことは、現在配布されている筑摩書房のPR誌「ちくま」1月号収録の岡崎武志氏の女性店主聞書き連載にて詳述されています」(業界事情通)


そこでまた、「外市」会場提供者である瀬戸氏にあたってみた。先週同様、動揺した瀬戸氏だが、今回も逃げられないと思ったか重い口を開いた。
「はい、間違いありません。先週、向井さんから「OKが出た」との報告をもらいました。自分の周りでも「いつかは行ってみたい」という人が多いお店ですから嬉しいです。東京での販売は初めてだと聞いています。160冊前後の本を提供していただく予定です」
bookcafe 火星の庭 http://www.kaseinoniwa.com/


いよいよ来週は、外市最後の謎である「外市一箱古本市」に迫る。(以下次号)


◎下記情報をご紹介いただけましたら幸いです。ご自由にコピーして下さい。

「外、行く?」
■■古書往来座 外市(そといち)─軒下の小さな古本祭─■■

▼日時
2007年2月24日(土) 雨天決行(やや縮小します)
11:00〜19:00(往来座は22:00まで営業)
▼会場
古書往来座 外スペース
東京都豊島区南池袋3丁目8−1 ニックハイム南池袋1階
電話番号 03ー5951−3939
http://www.kosho.ne.jp/~ouraiza/

▼参加店舗
■第一回ゲスト 
bookcafe 火星の庭(仙台) http://www.kaseinoniwa.com/

■古本屋軍団
古書往来座雑司が谷)/古書現世(早稲田)/立石書店(早稲田)

■わめぞオールスター
武藤良子雑司が谷http://www.geocities.co.jp/Milano-Aoyama/5403/
旅猫雑貨店(雑司が谷http://www.tabineko.jp/
リコシェ雑司が谷http://www.ricochet-books.net/
ブックギャラリーポポタム(目白)http://popotame.m78.com/shop/
琉璃屋コレクション(目白) 版画製作・展覧会企画
退屈男(名誉わめぞ民)http://taikutujin.exblog.jp/

一箱古本市スペシャルゲスト(近日公開)


徹底追求! 告発レポート
塩山芳明トークショー動員情報操作疑惑


1月21日、高円寺の古本酒場コクテイルにてあるトークショーが開催された。
主役は塩山芳明氏。エロ漫画編集プロダクション代表であり、その著書『出版業界最底辺日記』での切れ味鋭い毒舌が注目を浴びている。そんな塩山氏に、ある疑惑がかけられている。
「塩山さんのWEB日記「日刊漫画屋無駄話」は毎日楽しみにしています。その1月19日の分を見たところ、21日のトークショーに人が集まっていないとあったのです。その日は大切な仕事が入っていたのですが、それなら行かなくてはと仕事を休んでいくことに決めたのですが……」(某塩山ファン)


19日付けの「漫画屋無駄話」にはこうある。

「申し上げづらいのですが、明後日のトークショー、知り合いにもう少しお声を…」と、21日にトークショーがある、高円寺は「コクテイル」の“ルーズ”店長が電話を。やっぱし!いくら何でも10人は来て欲しいよ!!皆さん、ヨロピクのピク・(ペコペコペコちゃん)


暗に予約が10人に届いていないことを提示している。ファンなら「行かなくては」と思うだろう。この件については、トークショーの相手である南陀楼綾繁氏も日記で触れている。

チラシもつくらずサイトでの告知だけなんて強気だなあ、しかもコクテイルのサイトにはいっさい載ってないし、と思っていたら、やっぱり……。「芸人宣言」するんだったら、集客にも力を入れるほうがイイっすよ、塩山さん。


イベントを多数こなす南陀楼氏からの温かい言葉である。しかし21日、前出の塩山ファン氏は、会場について驚いた。満員なのである。しかし、自分と同じように思った人がいたのだと安堵し、トークを楽しんで帰宅した。どうしても今日中に終えなければいけない仕事をかかえていた氏は、トークショーにかけつけてしまったため、帰宅後、夜中の3時までかけて仕事をこなした。しかしである。
「仕事を終えて寝る前にあるHPを読んでビックリしました。コクテイルの店長さんの当日昼に更新されていた日記です。私の気持ちが、塩山さんにもて遊ばれていたと知って愕然としました」(前出塩山ファン)

「申し上げづらいのですが、明後日のトークショー、知り合いにもう少しお声を…」と、21日にトークショーがある、高円寺は「コクテイル」の“ルーズ”店長が電話を。」と書いてあって仰天する。ルーズではあるけど、気が弱いのでそんなこと言うわけない。予約も順調に来ているのに。


塩山氏の発言は「嘘」だったことが判明したのだ。前出の塩山ファン氏はあまりのショックに本日の仕事を休み、くやしそうな声で本誌に告発を決意してくれたのである。
「本人は、さらなる動員をしようとしたのでしょうが、これは塩山氏もよく批判する、宗教団体の選挙運動と変わりません。「腰がひけている」と週刊誌の報道姿勢を批判するのに、自分のトークショー動員数に「腰がひけている」のはいかがなものでしょうか」(某ライター)


塩山氏に、ファンの悲痛な気持ちは届くのだろうか。


※ある意味ホントだけどネタです(笑)。野暮なこと書きたくないがこういうの真に受ける人いるから(笑)。


週間ワイド特集〜今週のツボ


▼コンビニで
前に並んでいた兄ちゃんが「あと、肉まんひとつ」と。すると店員のお姉さんが「はい、タクアンひとつですね!」と言った。兄ちゃん、気づかないのか無言のまま。お姉さん、「すみません……」と耳真っ赤。ていうかどっから出てきたんだ、タクアンは。


▼子供より、親が大事と思いたい
早稲田通りを歩く父娘あり。小学校低学年と思われる娘さん。鯛焼きを頬張る父。娘「私にもちょーだい」、父「うるさいっ!」、娘「なんで…」、父「黙れ!」。いったいなにが……。


▼ボン書店・鳥羽茂とVAN・石津謙介
内堀弘『ボン書店の幻』から。「ボン書店から詩集を刊行した著者の中で唯一の存命者」である柴田忠夫氏は内堀さんにこう語る。「VANという服飾会社がありましたが、あの社長の石津謙介さんに似ていたんですよ。あの方を見たときにね、ああ鳥羽茂に似てるなって思い出したことがあるんですね」。で、内堀さんビックリ。この二人、岡山時代に同じ岡山第一中学校を卒業していたのだとか。鳥羽が一年後に卒業している。


松山千春、夕張で100万円のお買い物。
16日に訪れ、市に100万円寄付、さらに商店街で約100万円のお買い物をしたとか。本人もいうように「一時金」かもしれないが、事の是非はどうあれ嬉しいだろう。成功するかわからない「提言」や「涙」よりお金だろう。でも、小さい店で100万使うのは難しそうだ。よく買えたと思う。でも、ガンプラ持ってる松山千春の笑顔が面白いからノー問題だ。


▼友人の歌った替え歌
「さ〜ぶレタ〜フロ〜ム、ハッテン場〜」。さぶレターって……。


▼DJOZMA紅白パフォーマンス、教育再生会議でも話題
何かあるたびに伊吹文科大臣が不満そうな会見をするのが面白い教育再生会議でDJOZMAの裸スーツ問題が19日の全体会議で話題に。ていうか「出席委員が録画映像を視聴した上」ってのが最高。あれをみんなで(笑)。


▼マジ?
有田芳生さんのブログ1月2日記事(http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/)によれば今年の参院選社民党の比例で斎藤貴男が出馬と。マジ?


毎回短すぎる連載
早稲田通りに陽は落ちて


 昼食を終えて、食器を洗う。こんな時期だからお湯で洗いたいが、水で洗う。滝に打たれるように、甘えた自分に喝を入れるためである、と自分に言い聞かせてきた。しかし、皿を洗うだけで自分の内面と向き合うのは、やはり大げさだと思う。「男料理」のように、または「テレビの宮崎哲弥」のように。いちいちやることに意味づけしないといけないのは悪い癖だ。いい年して。日常的に、自然に皿を洗えばいいのだ。だから、今日から食器はお湯で洗うことにした。今日から、左の蛇口をひねるのだ。


現世図書館〜買いました、読みました


▼【購入】【読了】小田嶋隆『山手線膝栗毛』(ジャストシステム
目白のブックオフで105円で購入(アマゾンで頭の悪い値段ついてる)。雑誌連載なら喜んで読みそうな内容だが、正直「単行本」としてはイマイチでした。でも、ツボに入る比喩多数あり。


▼【読了】坪内祐三『文学を探せ』(文藝春秋
むぅぅ、俺は坪内さんの著作の中でこれが一番好きかもしれない。一番坪内さんを遠く感じる、だからいい。


▼【読了】田口久美子『書店繁盛記』(ポプラ社
トーク時間終了時刻なのに、終わる気配の無い金子勝先生のトークショー
「三回も合図したのに、一向に終わる気配がない。日本がこんな「粉飾国家」になってしまっていいのか、という悲憤慷慨がじかに伝わってくる。でも先生、時間なんです。」


▼【購入】角田光代『この本が、世界に存在することに』(メディアファクトリー
こいさんで300円。この本の1行目は「その本を売りに出したのは、十八歳のときだった。」。


編集後記


ワタクシは「週刊現世」編集長の向井です。古本屋の向井氏は別人格です。そういうことにしておいてください(笑)。あと、「毎日書くのが大変だから日記をやめた」というガセ情報は書かないでください。日記を毎日書くほうが楽だよ!
それにしても外市火星の庭さんの参加は嬉しいかぎり。仙台へ行く機会をうかがいつつ、忙しくてなかなかという方。とりあえず「外、行く?」。