10年後の勝負に

仕事はどん底。これでもかこれでもかと不安要素が出てきて、正直、精神的におかしくなりそう(いつもおかしいっちゃあ、おかしいけど)。


今日は閉店してすぐに自宅へ帰った。ボクシング、内藤VS亀田次男(試合後、歌を歌うやつ)があるから。「弱いやつとだけやっている」と言われている亀田、初の日本人対決。王者内藤を「ゴキブリ」とかボロくそに挑発した試合前。最近K-1とか総合格闘技をみても「どっちが勝つか」は考えはするけど、それでワクワクはしない戦いばかりだ。久しぶりに「どっちが勝つか」が気になる試合だった(普通に考えれば内藤が勝つのは当たり前だけど、何があるかわからないし)。亀田、ガードを固めて圧力かけながら前に出るけど、追い詰めるだけで何もしない。こういうやつ、やりにくいだろう、きっと。柔道で言えば組んだ後にずーっと腕をつっぱらせてたいした技もかけずに粘るような感じ。5ラウンド越えたあたりでもう亀はグダグダ。判定で王者内藤の勝ち。会場の声援も露骨なくらい内藤寄りだった。負けた亀田には何も感じない。プロに結果が求められるのは当たり前だが、負けたときに「色気」が漂わないやつは一流になれない。つまり、どんな結果が出ても、自分のストーリーをその姿や佇まいでつないでいけない人間を見続けようとは思わないからだ。久しぶりに格闘技を前のめりで見たから疲れた。ひさしくそういう格闘技の試合がなかったし。


今日10月11日、という日は格闘技好きには忘れられない日でもある。10年前の1997年10月11日、「プロレス」という幻想が敗れた。高田延彦ヒクソン・グレイシーが行われた日。あっけなく高田が負けた日。浅草キッドも何かで書いていたが、当時としてはとてつもない大一番だった(今思えば高田に期待しても・・・とわかるのだが)。自分はちょうど椎間板ヘルニアの治療中だったのだが、それでも東京ドームへ見に行った。それぐらいの試合だった。現実って、こんなだよ・・・と教えられてから10年が経った。そういう日に今日のボクシングを見たのも、悪くないなと思った。