2月3日のトーク

2月3日(日)に、鬼子母神通りみちくさ市2013・プレイベントとしてトーク「どうすれば「みんなで決める」ことができるのか? 『みんなで決めた「安心」のかたち――ポスト3.11の「地産地消」をさがした柏の一年』(亜紀書房)刊行記念イベント」を、雑司が谷地域文化創造館にて開催します。参加予約の受付を開始しました。


『みんなで決めた「安心」のかたち――ポスト3.11の「地産地消」をさがした柏の一年』は、原発事故によりホットスポットとなってしまった千葉県柏の野菜をめぐる、利害関係のバラバラな農家、流通業者、消費者が放射能問題でおきた社会の亀裂、不信感を超えるために双方向性をもって納得できるルール作りをおこなった試みの記録です。トークでは著者である社会学者の五十嵐泰正さんをホストに、第1部では『「フクシマ」論』(青土社)などで話題の若き社会学者・開沼博さんをゲストに「断絶と無関心を超えて」、第2部では、わめぞでもおなじみ大衆食ライターの遠藤哲夫さんをゲストに「「いいモノ」食ってりゃ幸せか? われわれはみな〈社会的に〉食べている」というテーマでのトーク、また農家の方のセッションも行います。


※著者の五十嵐泰正さんがシノドスジャーナルに寄稿したこの本の問題における関連記事です。本の概要がわかりますので、ぜひご覧ください。 http://t.co/zH7n0dCV


この本の編集者である柳瀬徹君は、友人です。かつて書店員をしており、その仕事をやめたあたりで、今は無きEDIのミニコミ「サンパン」周辺で知り合いました。その後も南陀楼さんが主催していた「BOOKMANの会」というゆるい勉強会でも一緒でした。今回トークに出ていただくエンテツさんもメンバー。どちらかというと3人とも「勉強会なしで飲み会でよくね?」という不良メンバーでしたが…。柳瀬君とは早稲田の古本地図に堀江敏幸さんの企画を一緒にしたりしていたのですが、なんとなく文系だった柳瀬君はいつの間にか社会的なテーマの編集者になっており(笑) しばらくご無沙汰していて、ある時、彼が編集した雨宮処凛飯田泰之著『脱貧困の経済学』をくれてそれがまたとても面白く。飯田泰之さんの存在に出会えたのは、なんかすごく得した気がしました。


結局、柳瀬君は文学は本当に詳しくてすごくいいセンスなんですよ。これは昔からわかっていて。で、柳瀬君が今まさに仕事をしている事柄は自分たちの「社会」そのものと言っていい事柄に気持ちをのばしていて。その多様性に自分は「うらやましい」というか単純に「いいな」と思ったんですね。ブックイベントって多様性があるようで無いと思うんですよね。「そういう本」しか売れないという。なんかもう少し「本」があるのは前提としてその先の「社会」とつながっているのかな、という些細な疑問があって、ずっと。ごめんなさい、うまく説明できないけど、この本を読んですごく納得できたんですよ。100あるうちの1つや2つみて全部わかったような気になってものごと進めてないかという。そう考えるとそんなことだらけのような気もする。なにかに「賛成」なのになんとなく納得できない「モヤモヤ」があったりすることとか。


急に変えてなにかがすぐ変わるとは思ってないのですが、長いスパンでものごと考えて、いままでとは違うことにもチャレンジしていきたいと思っています。この件に関しても「本」ということでなく「柏」の皆さんとなにかできないかな、と思ってもいます。今、流行りのお手軽な「つながる」とは違う次元で。


とにかく放射能の問題というだけではなく、今いろいろな社会問題がかかえ、開沼さんが『「フクシマ」論』を書くきっかけにもなったという「なぜみんなが「変わったほうがいい」と言っているものがいつまでも変わらないのか」というところから、もう一度きちんと「社会のカタチ」を探る基礎となるようなトークになればと思います。デモなども含む社会運動に興味がある人、コミュニティの問題に興味がある人にぜひ聞きに来ていただければと思います。ぜひ、いつもみちくさ市になんとなく来ている、という感じの人にも来てほしいです、本当に。難しい問題ではなく、実に身近な生活の話です。


柳瀬君とは、みちくさ市でもある企画を一緒にやることになっています。彼とは同い年で今年「本厄」なんですよ(笑)そんな二人でいろいろやっていきます。ここからはじめます。ぜひ来てください。

予約はこちらから!
http://d.hatena.ne.jp/wamezo/20130203