出雲古本合宿、打ち上げ

朝、昨日の市場で買った荷物を取りに行く親父と一緒に車で神保町の東京古書会館へ。親父は買った荷物を取りに2階へ、俺は地下の会場へ。昨日セドリして買った本を持って帰ってもらうために車に運ぶ。簡単に書くと、和田誠『ビギン・ザ・ビギン』、志田三郎『古本屋春秋』、三木幹夫『ブルーフィルム物語』、深沢七郎『言わなければよかった日記』(元版)、深沢七郎小田実『対談くらしの中の男二人』、大井広介『ちゃんばら芸術史』、和田静子『命の残り 夫和田芳恵』、21世紀ブックス『銀座ホステス秘密の手帖』など。上記はどれもチャリンチャリンと数百円。野一色幹夫『浅草 戦後三十年』だけお札1枚。あと10冊ぐらい買ったけど省略。


10時開店、静かな会場。また目録注文品の伝票書きの続きを。注文の本には「注文帯」がつく。ヒモなどで縛られた本に差し込まれる長い紙だ。この帯には、目録番号、書名、金額、注文した人全員の名前、そして下には当選者の名前が。送りのもので、冊子小包に関してはこの名前部分を切り取って糊で小包に貼って宛名にも使う。だから、きれいに書いてくれないと困るのだ。それなのに、なんなんだよ、Sさん! 一文字も読めないよ! こんなの届いたら不幸の手紙と変わらないわ、ホント。


また、書名の間違いも多い。こんな時は、「早稲田の天然王」いこい書房さんがダントツの面白さ。堀江敏幸さんの『おぱらばん』なんて注文帯には『おばらんば』、値札には『おばうんばん』って書いてあるんだもの。ステキすぎ。さらに、清水邦夫『わが魂は輝く水なり』は『わが魂は光なり』って「輝く」はどこへ!しかも水を光にするなよ・・・。


日記を見てもらえばわかる通り、自分は普段古書市場へ行きません。市場で働くのをやめた後から行かなくなりました。まぁ、親父と二人でいっちゃうと、母親の負担が増えるのと、親父と欲しい本が違うから、金がいくらあっても足りないので。なので、久々に会う業者仲間も多い。神田の金子書店・金子さんもひさしぶり。市場で働いていた時はホントお世話になったのだ。話も一番合う、いい先輩でしたよ。本人は「お前といると運気が吸い取られる感じがするから、近寄るな!」いいますけども。あと秦川堂書店の永森進悟さんもひさしぶり。一緒に市場で働いた仲。今日聞いて、この日記読んでるとは思わなかったよ。二十代前半はこの進吾さんと一番飲んでいた。この頃はまだ神田のご子息と飲んでも、お金が足りたのよ。いい時代だったなぁ。遊びのことだけ考えたあの時期が、今の自分に一番大事な時期だったと思います。たまには飲みに連れてってよ、進悟さん。


6時閉会。帳場のお金の計算に少し時間がかかった。6時35分に解散。さっき電話があって急に、南陀楼綾繁さんと飲むことに。立石書店の牛(ぎゅう)イチローと三人で、会館近くの「餃子バー」(ステキな響きだ)「YuriKayato」へ。アメリカンな雰囲気、でも売りは餃子だ。今日は出雲での古本買い入れ旅行の打ち上げみたいなもの。思い出話を肴に飲む。よく笑ったよ、今日は。そういえば5月8日の「スムース友の会」、まだ受け付け中みたい。なんか敷居が高いと思って参加したいけど遠慮している人がいそうだと、先ほど話した。でもね、一般参加者の方も結構多いし、大丈夫みたいですよ。お気軽に参加を、との事。僕も行きますんで、気軽にお声がけを。