沈黙の日曜日、晴れと雨

朝、起きるも疲れがとれない。そんなに大変な仕事してるわけじゃないのに。いつもだと、4日目あたりから、「ランナーズハイ」ならぬ「古本市ハイ」になり、疲れが無くなっていくのだが、今回はダメだ。9時に会場へ。昨日、親父が持ち込んだ追加本を棚入れ。初日から残っている本はストックに回す。今日は遅番。いきなり休憩。いこいさん、関さんと裏の喫茶店へ。なんで関さん、山村美沙読んでるんですか・・・。


店番へ。昨日に増して(最終的には売れたが)暇である。日曜の午前中なのでしょうがない。ボケーッとしてるだけ。と思ったら某書店の『御触書集成』13000円が売れた。うらやましいわ。文庫の150円とかしかこないの、古書現世は。うちが出している『立原正秋全集』は送れるのか、と聞く人がいたので、目を輝かせるが「今日は持ち合わせないから」と・・・シュン。


原町文庫さんの棚で永六輔『奇人変人御老人』を手にとる。なんか装丁が良かったので。対談集だが、平野威馬雄渡辺龍策や藤倉修一、さらには天牛書店の天牛新一郎さんまで登場。面白そう。300円。でも後ろのほうが紙グチャグチャになってる。原町さんを脅して(冗談でですよ)100円にしてもらう。これは自分用にしよう。天牛さんとの対談、食事を勧める永六輔、遠慮する天牛さんの場面からなかなか良い。


3時過ぎ、突然の雨。ものすごい降り。雷も。こうなると、BIG BOX前にたむろしていた学生が中に入ってくる。もうさぁ、棚の前とかに平気で立って笑ってるんだよねぇ。人の邪魔になっていることに気づかない。もう自分の知り合い以外は見えてないんだよね。ここまで「公」の部分が小さくなると嫌になっちゃう。4時、3時間休みで戻る。が、すごい雨。棚を直して、さぁ戻るかという時になって、雲が割れて突然快晴に。俺はモーゼだったのか!(妄想) 


店につくと、ポストに小包が。右文書院(http://www.yubun-shoin.co.jp/)から鈴木地蔵著『市井作家列伝』が届いていた。渋い、渋すぎるラインアップだ。木山捷平川崎長太郎、古木鐡太郎、小沼丹古山高麗雄葛西善蔵野口冨士男和田芳恵などを私小説風に語る。実はほとんど文学に興味の無いワタクシ(なぜ『サンパン』の同人なのか・・・)。これらの作家も『sumus』を読んでいなければ、なんとなくしか知らずに終わった可能性大。それでも、これらの作家のことを書いた、『sumus』の方々の文章を楽しく読めたのは、全て自分の経験や生活と重ねて作家の作品や人生を提示してくれたから。つまらない評論文章ではなかったからだ。この本も同様の手法で書かれている。古本屋の話、友人の話、家族の話と共に作家たちが浮かび上がる。あぁ、面白くて3時間休みの1時間を店でつぶしてしまったではないか。結構きびしい視点もあるところもいいなぁ。付録の栞には堀切直人さんや南陀楼綾繁さんの文章も。この栞、将来大事ですぞ。同封の手紙を見たら、編集の青柳さん、先日この日記に書いた「いこいさんが出した格安の草森紳一本」をゲットしていたらしい。さすが。店を出て家に戻ろうとしたらまた雨が。びしょ濡れ。モーゼとか言ってる場合じゃないよ・・・。


7時に会場へ戻る。うへ、学生さんたちが増殖してる。通れないよ! まぁ、いいや、もう・・・。休日なので、御客さんの引きが早い。というわけで閉会も1時間早いのです。なんか、みんなも片付けが早いよ、いつもより。さぁ、あと一日。最終日7時閉会です。早稲田大学正門の古本市は明日が初日。午前10時〜午後7時まで。こちらもヨロシク。今日はもう寝る!!