私の「やる気」を通り過ぎていった文庫たち

 雑多な仕事も一段落したことだし、7月のBIG BOXの文庫の値段つけをはじめる事にする。機械的で、あんまり好きな作業ではないのだが、そんな事言ってられない、当たり前だが。まず外の台車に積んであった文庫から。その後、帳場裏に置いてあった文庫を掘り出す。隙あらば本は積み上げられていくので、数週間前の本は全部下になっているのである。値札をひたすら貼り続ける。昔から単純作業を粘り強く続けるのが苦手だ。通知表にも毎回書かれていた。もう、変わらないよね、こういう性格は。


飽きたので(サボるなよ・・・)昨日入荷した本の中から、永江朗さんの『いまどきの新書』(原書房)を読む。書評本。『週刊朝日』に連載していたものをまとめたとの事。いつもながらクールな書評だ。しかし、ところどころ書評内に小泉純一郎批判が出てくるのだが、あきらかにそこだけ温度が違う(笑)。『日米安保を考え直す』という本の書評のラストは

小泉純一郎に言っておく。有事法制なんて持ち出す前に、やることはいっぱいあるだろう。そんなものは、日米安保在日米軍について、きっちりケジメをつけてからにしろ。

本はそっちのけ、という気がしないでもないが「言っておく」というのがステキだ。思想的背景はどうあれ、こういう永江さんのほうが魅力的な気がするなぁ。あぁ、なんだか坪内さんの書評本が読みたくなったなぁ。誰かの「書評」を読むと、雑誌や新聞の書評の紙の後ろに、お札の「すかし」のように、いつも坪内さんがいるような気がしてしまう。坪内書評というのはやはり格別だと思う。


午後も値段つけをずっと。あまりはかどらず、3箱分だけ。あっけなく閉店時間になった。そういえば、追加した『古本道場』も残り1冊です。フリペ付。ホントよく売れるなぁ。


札幌の古書須賀屋さんのブログ「須賀屋の古本暗黒世界」(http://d.hatena.ne.jp/nekomatagi/)は面白すぎ! ここまで書いた古本屋日記は無いのでは(ほぼ毎日の自慰行為を記述している青木正美さんの単行本『二十歳の日記』は別の意味で凄いが・・・)。さすが「古本小説大賞」受賞者です。


明日は日記休みます。また月曜日にお会いしましょう。