タオルケット、ください

店を開けて、目録裏表紙の日記を仕上げる。これで自分とこの目録は一段落。名簿整理は数日かけて自宅で夜やることにした。名簿整理ってのは、注文くれた人(もしくは「継続希望」の連絡くれた人)をチェックしていくということ。その後、しばらくほったらかしになっていた本の山の整理。とりあえず「古本市に出すもの」、「店に入れるもの」、「青空の目録『古本共和国』に掲載するもの」にわけていく。200冊ほどやったところで昼食タイム。街、誰もいないじゃん。


午後、さっき整理した中にあった山本嘉次郎の『カツドウヤ水路』(昭和40・筑摩書房)を拾い読み。関東大震災の時の描写がすごすぎ。

とにかく有り得ぬことである。怖い! なんてもんじゃない、すべてがヘンテコである。
不条理である。みんなは、なんとなくそれがおかしくてゲラゲラ笑いながら連れ合って
階段を降り、庭の芝生の上にのがれた。
「しまったッ!」
青山杉作さんが大声を挙げた。みなギョッとした。
「あの際、どうして洒落をカッ飛ばせなかったんだろう。自信を持て! とか地震
勝とう(加藤)とか・・・ええい、このあわてものめが!」

暢気すぎるよ! しかもその後、大火災を見るや「大いに儲かること間違いなし・・・さぁ撮ろう!」とか言い出すし。ちなみにカメラマンが「ニュースのカメラマンではありません!」と拒否されて未遂に。


その後も本の仕分け作業。500冊ほど分ける。こういう作業は嫌いではない、が、疲れる。5時すぎ、BIGBOX会場へ。閉会を前に控え室でダラダラする。コーヒーを買いに8階のボーリング場へ。アンガールズのような若者が2人でプレイ中。しかし投げるときに常にボールの重さによろけるために全部ガーター。しばらく見ていたが、一度もピンが倒れることがなく・・・。近くにいた、「魔球」というTシャツを着たおばさんのパワフルさを見習って欲しい。6時、縛りの作業開始。今日は、搬入エレベーターが使用できないので、運び出しは明日だ。みんな本を縛りおえて、テーブルをたたむ。備品類をかたして、テーブルをロビーに積む。7時半、作業終了。そこへ夫婦が二人入ってきた。「もう終わりなんですが」「買うの決まってるんで売ってくれないですか?」「えっ、なんの本でしょう」「本? タオルケットなんだけど」タオルケット? あれ、それ来週の寝具市じゃないすか! いこいさんが草鞋作るみたいな格好で座って本を縛っている。「民俗学」って感じの座り方。いこいさんのスニーカーを見たらサイドにマジックで「いこい」って書いてある。小学生かよ!


明日は朝から片付け作業です。そういえば、昨日、書肆アクセスの畠中さんから電話があり、いよいよ来週月曜日からフェア「岡崎武志さんが選ぶ書肆アクセスの16冊」がはじまるとのこと。あの地方出版社や小出版社の本がたくさん並ぶアクセスの棚から岡崎さんが選んだ16冊とは。行って確かめるべし。あぁ、15日だしね、九段もいいけどすずらん通りもね。

岡崎武志さんが選んだ書肆アクセスの16冊■

岡崎さんが独自の視点で選んだ、地方、小出版社の本とはどんなものか…? バス本あり、漫画あり、絵本あり。芸能本やもちろん大阪本も。選書理由を書いていただいた小冊子も発行します。 また『古本道場』(ポプラ社刊)を始め岡崎さんのご著書もサイン入りで販売します。若き頃のみずみずしい詩を編んだ『スムース文庫 詩集 風来坊』をはじめ、ちくま文庫、ダイアモンド社…etc。
▼日時
8月15日(月)〜9月10日(土)
月・火    10:00AM〜6:30PM
水・木・金   10:00AM〜7:30PM
土     11:00AM〜6:30PM
▼会場
(株)地方・小出版流通センター直営店■書肆アクセス・店頭
千代田区神田神保町1−15(Tel:03-3291-8474/Fax:03-3294-8065)
access@mx6.mesh.ne.jp