それでも変わらないもの〜みちくさ市〜

なんだか、3.11がはるか昔に感じるようになってきた。その直前に開催したイベント「イケブックロ」の呑気な日々が嘘のようだ。なにもかもが不安定に変わって、そんな中で「あいおい古本市」を開催したり、時は流れてつい先日は不忍ブックストリート一箱古本市も無事開催された。そう思うと、時期的なものもあったけど3月20日に開催予定だった2011年最初のみちくさ市の中止がのどのつかえになっている自分に気づく。


「街」のイベントは、個人団体のものと違うので、実に調整が難しく、どこかひとつだけがやる気があっても動けないものだ。みちくさ市はゆるやかではあるが行政との連携もあるのでなおさら。かといって簡単に決断をしたわけではなく、商店街さんとしてもギリギリの決断であったことは自分ももちろん知っている。「街」という形が決まっているようで決まっていないコミュニティを維持する難しさ、そういうものを形づくっている公共意識の複雑さ。個人のわがままやプライドだけで振り回してもしょうがないことである。でも、やっぱりくやしいはくやしい。非常時ということもわかってはいても複雑な気持ちは残る。そうして、3月20日は過ぎて行った。


5月の開催はいつもより早く、準備期間も短いこともあり、これも本当に開催できるかわからなかった。その後、3月の終わりに商店街さんとの会合をもち、5月は開催する方向で、という答えをいただき、仕切り直しで「みちくさ市の2011年」は再び動き出した。3月に参加予定だった皆さんもやはり複雑な思いがあったに違いない。今回の参加者募集は、まず3月に参加予定だった皆さんの参加意思を聞き、希望者にはスライド式で出ていただくことにした。まだまだ不安定な時期だというのに、ほぼ9割近い方が参加意思を表明してくださった。追加募集もすぐに埋まった。それからチラシができ、配布し、なんとなく態勢が整い、同じく3月開催が中止になった後、一足先に震災後初の開催となった4月の手創り市さんを見に行った。いつものように賑やかだった。そして先日の一箱古本市も盛況だった。どちらも、主催者側の人も、参加者の人も、両方楽しそうだった。


自分は公言しているけれども、どちらかといえば「新しいビジネスモデル」を作りたくてイベントをやっているので、正直「主催者サイドの楽しみ」はあまり重要視していないというかですねwww でも、今回は、楽しみたいな、と単純に思いました。あの日からまもなく2カ月。遅れに遅れた、みちくさの春がようやくやってきます。こういうイベントをやっていてよかった、続けられて本当によかった。そういう思いで当日、みなさんと楽しく話せたらいいなと思います。


3.11を越えてなお変わらないもの。そういうの、見つけたいですよね。今年最初のみちくさ市。どうぞよろしくお願い申し上げます。


第10回 鬼子母神通り みちくさ市
5月8日(日)11:00〜16:00
詳細⇒http://kmstreet.exblog.jp/