みちくさ市連続講座について

今年も、鬼子母神通りみちくさ市がはじまります。3月15日が今年のスタートとなります。本年もよろしくお願い申し上げます。


みちくさ市については⇒ http://kmstreet.exblog.jp/


おととしから、みちくさ市に併せて雑司が谷地域文化創造館に於いてトークを開催させていただいております。今年も開催させていただきますが、少し趣向を変えて開催させていただきます。今までは、著名な作家さんなどを迎え「楽しい時間を過ごしてもらう」という普通のトークでした。それはそれでよかったのですが、自分にはかつて気になる言葉がありまして。
 以前雑誌「屋上野球」を出している編集室屋上の林さやかさんと話しているときに、普通のトークじゃなくて何か具体的に持ち帰ってもらうようなものしか今は興味ないかなぁ、というような言葉でした。もちろんどのようなトークでもそういうことはあると思いますし、受け手側の意識次第であるとは思うのですが、みちくさ市本体も最近は安定してきたので、トークで集客のプラスを考えなくてもいいかな、という思いもあり、ここで違う企画をやってみようかとも思いました。


そして今回、トーク形式のワークショップとして「『作品と商品』のあいだ〜表現という仕事のリアルな現場の話〜」という連続講座をはじめることにしました。そんなに難しいことは考えてなくて「本を作る」ってことであると「本の世界の人」に話を聞く、という本の世界で完結してしまうことは多々あると思いますが、表現的な仕事をしている人の話はどれも職業を超えて面白い、という当たり前のことを身近で聴ける、と思うのです。むしろどんどん他業種の面白さを知ることが一番の刺激なのではないかと。そして、なんでも「こうしたほうがいい」という近道を教えるのではなく、職業として表現をするには「お金」が発生して様々な制約に縛られることも多い。それを第一線の現場でしている人はどのようにとらえ、乗り越えていっているのか。受け手は作品をすべてにおいて「自由」と思って受け取っていることが多いと思います。しかしそれは必ずしもそうではない。もちろん「自由」を優先するために「お金」をあきらめる、ということも選択にあると思います。流行の「どうやったら金を稼ぐようになれるのか」みたいな話にはならないです。みんながソフトのことばかり考える時代に、自分の気持ちを乗せる土台を作るようなお話を聞かせてもらえるのではないかと思っています。


第1回は「CMディレクターが体験したMV制作の話」というテーマで、この連続講座のトークホストである東北新社の中野達仁さんのお仕事を名刺代わりにお話していただきます。CMディレクターとしてはベネッセ ”たまひよ“シリーズ、YKK AP三井住友銀行、グリコ、ホクトのきのこなど、見れば「ああ」とわかるものを撮りつづけておられるベテランです。そんな中野さんが本業を飛び出して自分の興味から携わったMV(ミュージックビデオ)が今回のテーマです。2003年にリリースされ、バンド・GOING UNDER GROUNDの代表曲の1つとなった「トワイライト」。このMVは、今では当たり前の「ストーリー形式MV」の先駆けと言われています。しかし、同じ映像仕事であっても、業界のシステムはまるで違い、大変な思いで作られた作品だそうです。そんな現場の生の声を、聴かせてもらいます。中野さん、業界っぽくなくて、とても熱い、愉快な方なので、話はとても面白いです。王道の仕事をされていますが、とても細かい部分を分け隔てなく扱ってくれる人です。ご本人は言うと嫌がるのですが(笑)かつてはネオGSバンドのヒッピーヒッピーシェイクスのボーカル、サミー中野としても活躍されていたのですよ(ピチカートのPVにも登場www)。


聞き手は、元KAI-YOU, LLC代表で、現在は『TOmagazine』編集部に所属している武田俊さんにお願いしました。中野さんは50代、武田さんはまだ20代です。正直、感覚はだいぶ違うでしょう。でも、もちろんつながる部分もある。王道がある時代に仕事をしてきた中野さん、表現に壁がない時代を走っている武田さん。あえて違う感覚がぶつかることで、お互いの「時代」の共通項、差異が明確になると共に、これからの表現という仕事が見えてくるかもしれません。こういう内容のトークだと「セミナー」というほうがいいような内容になってしまうこと多いですが、いい感じに飲み屋トークみたいになればなぁ、と思います。


今後も、いろんな業界の一線で活躍する方が次々と登場する予定です。そういう仕事につきたい人、ただなんとなく表現したい人、単純に裏話が聴きたい人、お気軽にお越しください。参加者の数とか気にせず、来て下さった方とじっくり向かい合っていただく、そんな場になれば。自分も一観客として聴いて、ちゃんとした大人になりたいです…。


GOING UNDER GROUND 「トワイライト」MV

みちくさ市連続講座  ※予約受付中!! 


中野達仁さん(聞き手:武田俊さん)
「『作品と商品』のあいだ〜表現という仕事のリアルな現場の話〜」


第1回 CMディレクターが体験したMV制作の話


誰もが気軽に表現をできる時代になりましたが、自分の「作品」を「商品」に変えていくことは難しい時代であるともいえます。たとえ「商品」に変えられたとしても、クライアントなどの意向によって満足のいく「表現」ではなくなってしまう場合もあります。


広告の仕組みも、メディアのあり方も大きく変貌を遂げている現在、クリエイターはどのように活動していくことが可能なのでしょうか。長年、東北新社でCMディレクターとして数々の作品を世に送ってきた中野達仁さんを講師に迎え、メディアカンパニー「KAI-YOU」を立ち上げた元代表武田俊さんを聞き手に、時にはゲストを交え、これからの「表現」を考えるトーク形式のワークショップです。


第1回の今回は、講師の中野さんが本業のCM制作から飛び出して自分の興味から携わったMV(ミュージックビデオ)の制作現場について語ってもらいます。2003年にリリースされ、バンド・GOING UNDER GROUNDの代表曲の1つとなった「トワイライト」。中野さんがディレクションし、ストーリーMVの先駆けと言われた本作の話題を中心に、全く新しいことにチャレンジした当時の現場の話をひもときながら、現代のシーンにおける課題に迫ります。


中野達仁(なかの・たつひと)
1964年、福岡生まれ。(株)東北新社・CMディレクター。主な仕事はベネッセ ”たまひよ“シリーズ、YKK AP三井住友銀行、グリコ、ホクトのきのこなど。MVではGOING UNDER GROUND「トワイライト」「同じ月を見てた」、コーヒーカラー「人生に乾杯を!〜別れの曲〜」などがある。


武田俊(たけだ・しゅん)
1986年、名古屋市生まれ。元KAI-YOU, LLC代表、メディアプロデューサー。2014年12月より『TOmagazine』編集部に所属。NHK「ニッポンのジレンマ」に出演ほか、講演、イベント出演も多数。


■開催 3月15日(日)
■時間 13:30〜15:00(開場13:10〜)
■会場 雑司が谷地域文化創造館 第2会議室
■入場料 1000円 ※当日お支払です


■予約方法 
下記のメールにて件名を各「みちくさ市講座予約」、本文に「お名前」「人数」「緊急の電話連絡先」をご記入の上お申し込みください。折り返し予約完了のメール(自動ではないので最大24時間ほどタイムラグある場合がございます)。返信が無い場合は再度お問い合わせくださいませ。代金は当日払いです。予約完了メールに当日の受付方法が記入してありますので必ずお読みください。


※予約&お問い合わせは下記のメールで
wamezoevent1 @ gmail.com
みちくさ市本部 090−8720−4241