週刊現世4号 ■半径1メートルのスクープ主義■

独占スクープ!
彷書月刊が下町へ」の情報を追跡!


先週、ある情報が業界をかけめぐっていた。1985年に古本屋や有志によって創刊された古本情報誌「彷書月刊」。現在は本の街、神保町に事務所をかまえている。その編集部が下町へ移るのではないかというのである。にわかに信じがたい話ではあるのだが、取材を進めると江東区深川という土地が有力らしいとの情報を得た。アサリとネギをみそ仕立てで煮たものを御飯にかけるどんぶり飯、「深川めし」で有名な深川である。「移転地」ではないかという場所へ行くと、不思議な空間が現れた。ギャラリーもあり、物品販売もしている店である。普通に営業しており、やめる気配もない。ここに編集部が移転してくるというのは現実的ではない気がした。店名は「深川いっぷく」という。
「深川いっぷくは昨年の10月にオープンしました。この通り、深川資料館通り商店街が運営しているギャラリーショップです。地域住民や観光に来た方の休憩所でもあり観光案内所でもあるような空間をめざしているそうです。ギャラリーでは美術展も行われていますし、ワークショップなども開催されています。住民同士の交流の場でもあります」(地域住民)


この場所にたどりつくまでに、「彷書月刊」につながるキーワードがひとつあった。それは「リコシェ」である。「彷書月刊」の広告でもよく見かける、小部数出版のアートブックなどの取次営業代行で、あの「わめぞ」のメンバーでもある。そこで、高校生のようなオーラを漂わす”日本一、人妻に見えない人妻”リコシェ阿部麗奈氏を直撃した。
「「彷書月刊」の移転ですか? それはないと思います。どこからそんな話が出たんですか? えっ、「深川いっぷく」の・・・ハハハ、それは「移転」ではありません」


阿部氏は情報を否定したものの、真実を語ってくれた。
「実は3月に「深川いっぷく」さんのスペースを借りて、いつもお世話になっている「彷書月刊」さんのイベントを開催するのです。中途半端ですけど「創刊23周年」ということにして(笑)。「新春彷書月刊23まつり」といいます。移転というのはおそらく、展示企画のひとつが一人歩きした情報ではないでしょうか。 「彷徨舎・編集部再現! いっぷくが編集室になった!?」という展示があるのですが、編集部にある、実物の伝言板と読者からの手紙や資料のファイルをそのまま持ち込み展示するのです。その他にも展示あり、一箱古本市あり、トークショーありと盛りだくさんでやるつもりです」


思わぬ展開となった。「移転」とはイベントのことだったのである。
「いっぷくさんとは昨年、うちで扱っているものを注文してくださってからの縁です。今回このスペースをお借りして「古本のイベント」をするわけですが、商店街が運営している場所ですから、他にも何かできるといいなーと思ってます」(阿部氏)


本誌としては3月24日(土)の副編集長・皆川氏のトークを特にオススメしたい。実質編集を全て引き受けているといえる副編集長トークは面白いにきまっている。

■■新春彷書月刊23まつり 〜3月のいっぷくは古本三昧〜■■ 


彷書月刊」は、古本と古本屋さん、すべての本を愛する方のための情報誌です。
発行:彷徨舎/毎月25日発売/定価(本体700円+税)
 http://www3.tky.3web.ne.jp/~honnoumi/framemain.html


▼日時
2007年3月7日(水)〜25(日) 11〜18時
※月曜・火曜は定休(会期中のお休みは、3/12、13、19、20)
イベントの日程についは、下記参照
▼会場 
深川いっぷく
〒135-0021 
東京都江東区白河3-2-15 1階(深川資料館通り商店街沿い)
都営大江戸線東京メトロ半蔵門線清澄白河」駅A3出口より徒歩7分
E-mail:qrrart@yahoo.co.jp  ブログ:http://qrrart.exblog.jp/
PHS:07054604082(固定電話はありません)
▼問い合わせ・企画 
リコシェ
〒134-0085 東京都江戸川区南葛西7-2-1-306
Tel&Fax:03-3804-3907
E-mail: rico-info@ricochet-books.net
(不在がちです。問い合わせはFAXかメールにてお願いいたします)
http://www.ricochet-books.net     
※お問合せはメールにてお願いたします。
※予約が必要なイベントが三つあります。予約されるかたは必ずイベント名をお書き添えください。

▼展示企画
■タイムマシン彷書月刊
(一押し特集の展示パネル、創刊号から最新号までを展示販売)※一部展示のみ
■「編集部が選ぶ、やって面白かった号・ベスト23」
※該当号の展示販売と彷徨舎刊行の単行本も展示、販売します。
■「彷徨舎・編集部再現! いっぷくが編集室になった!?」
※編集部にある、実物の伝言板と読者からの手紙や資料のファイルをそのまま持ち込み展示。


▼ワークショップ
けしゴムでつくる ラバースタンプ・ワークショップ
HASSAK Rubber Stamp 〜スタンプの彫り方・おし方〜
気軽で楽しい、けしゴムスタンプのつくり方。彫った作品をならべておして、オリジナル柄のブックカバーをつくります。
【講師】八朔(オーダーメイド・ラバースタンプ屋さん)
【日時】3月11日(日)13時30分〜15時30分頃まで(受付:14時45分〜)
【参加料】 1500円 
【定員】6人※要予約。
【予約・問合わせ】前日の3/10までは、リコシェ・いっぷくの両方で承ります。いっぷくの場合はメールにて、リコシェはメールかFAXで承ります。ご希望のイベント名、お名前、人数、ご連絡先を必ずお書き添えください。
※当日の予約、お問い合わせは〈深川いっぷく〉白濱(しらはま)のPHS 07054604082までお願いいたします。
【持ち物】お手持ちの文庫本・新書本
筆記用具/はさみ/スタンプに彫りたい絵(3.5×3.5センチ以内)
*絵はなくてもかまいません。その場でかんたんにデザインをつくる方法をご紹介いたしますので どちらかお選びいただけます。


▼いっぷく・いっぱこ(一箱)古本市
参加:彷書月刊関係者諸兄、リコシェ、古本周辺の人々で20箱 ■メンバー検討中
日時:3月16日(金)17(土)18(日)21日(水・祝)の四日間※3/19、20はお休み  11〜18時まで


トークショー+古本競り市
「なないろさんの古本入門教室 〜ガッチリ なんでも 聞きまショウ〜」
田村治芳さん(彷書月刊編集長) 聞き手:阿部麗奈(リコシェ)
田村編集長に古本のこと、雑誌について本と古本に興味津々のリコシェ阿部が
読者代表として色々質問してゆきます。
トークショーの後半は、「いっぷく お宝本・振り市体験」
田村編集長の「振り手」による古本「振り市(ふりいち)」を行います。
【日時】3月21日(水・祝)15〜16時30分頃まで(受付:14時45分〜)
トークが1時間、振り市が30分予定
【参加料】800円
【定員】30人※要予約。
【予約・問合わせ】前日の3/20までは、リコシェ・いっぷくの両方で承ります。いっぷくの場合はメールにて、リコシェはメールかFAXで承ります。ご希望のイベント名、お名前、人数、ご連絡先を必ずお書き添えください。
※当日の予約、お問い合わせは〈深川いっぷく〉白濱(しらはま)のPHS07054604082までお願いいたします。

    
▼ライブ+ミニトークショー
◎「ウクレレブラザース いっぷくライブ」
【ゲスト】ウクレレブラザース(首席ウクレレ奏者:高野ひろしさん(路上ペンギン写真家))
メンバーが子供の頃から馴染んできた山手線各駅の唄を作って歌う、色物系ウクレレユニット。約10年に渡って東京の隅っこで人知れずライブを決行。JR東京駅構内では2年間ミニライブを担当。唯一最大のハイライトは、ウクレレの神様・ハーブ・オオタさんの前で演奏して大受けを取ったこと。


◎「副編集長は見た!裏窓からみた彷書月刊編集部」
【ゲスト】南陀楼綾繁さん×皆川秀さん(彷書月刊副編集長)


【日時】3月24日(土)
16:00〜18:00まで( ライブ:16:00~16:55、休憩後、ミニトーク:17:05~18:00)
【参加料】ライブ&トーク 1000円(お茶菓子付き)
【定員】30人※要予約(他と同様)


週間ワイド特集〜今週のツボ


▼目の前で轢かれた!
月末なので、銀行であれこれ。時間的に昼食を食べる時間がなくて、コンビニで
コッペパンを買い、ポケットにつっこんで自転車で馬場へ走っていると、あっ!と思った瞬間に落ちたパンがバスに轢かれた・・・。しかもつぶれたパンの数メートル先では鳩ポッポが同じような感じになっていた・・・。


▼ウィンドウズを飲む
体の調子が悪いという、いこいさんが「病院でウィンドウズ飲まなくちゃいけないなぁ」と(胃カメラのことらしい)。つっこむところだらけだが、どこで憶えたんですか、ウィンドウズって言葉を!
いこい伝説の入口はコチラ http://taikutujin.exblog.jp/1923024/


▼Mr.Boo!とヴィットリオ・デシーカ、夢のコラボ
先日、未來社の担当編集者である天野みか嬢、立石書店牛イチロー&バイトのM君というメンツで飲んだ。映画の話になり、ふとしたころからマイケル・ホイなどのホイ三兄弟による香港映画「Mr.Boo!」シリーズの話に(日本配給元が勝手にシリーズにしているだけで、向こうでは全くの別物)。ドタバタコメディである。小さいころよく見に行った、などの話。俺なんかサミュエル・ホイのレコード持ってたよ! 実は数年前にDVD化されており、先日「新Mr.Boo! アヒルの警備保障」を借りてきたばかりなのであった。で、一緒にデシーカの「自転車泥棒」も借りたという話をしたら天野さんが「えっ、『Mr.Boo! 自転車泥棒』っていうのは私知りませんよっ」と。ねぇよ、そんなの!! でも、ありそうだという話になり、マイケル・ホイが自転車に乗っていると
どんどん分解していくだろう、とか、リッキー・ホイは警官役だとか勝手に話を作っていくのであった。
http://ja.wikipedia.org/wiki/Mr.BOO!


▼何も言わずに見てくれ!
この「古書往来座 ちょっとご報告」のエントリー、凄すぎる。そしてそこからリンクをはられた「水止舞」の世界を堪能してほしい。面白すぎるだろ、これ!
http://ouraiza.exblog.jp/4504407/


ゲッベルス邸、売却へ
ナチス宣伝相だったゲッベルスの邸宅を、ベルリン市が売却しようとしている。
旧東ドイツ政府の集会所だったのだが、統一後は市の所有物になっていたという。財政難で管理費用が出ないそうです。約4000万円かかるのだとか。30室あるんだってよ。
http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY200701300091.html
そこで本誌は”自民党ゲッベルス”世耕議員を直撃。「買うつもりはありますか?」「それを私が買うというのはセオリー通りです」とのこと(嘘)。


▼見たって!(日本の教育に必要なのは「読み・書き・越中」)
先週、「アメトーーク」の「ガンダム芸人VS越中詩郎芸人」を見逃したと書いたら、自分がその存在を知ったhttp://d.hatena.ne.jp/hstm2/のhstmさんがDVDに焼いて持ってきてくれたのだ。感激! で、5回見たって!(1時間番組) こういう「一般人の中に入ってしまったマニアック」というネタはスキだ。そのあたりをきっちり見せることができるケンコバ絶妙。個人的には越中芸人応援BBSにあった「ゆくゆくは後藤達俊トークも」と読み上げたところ会場から「誰?」という雰囲気が漂い、その瞬間ケンコバが「えっ!Mr.BDですよ!?」というところが一番良かった。あと「ドラリオンの次はコシナカンだって!」というやつ(ていうかバッファロー吾郎がもう少しネタかぶせていければもっと面白かったのに・・・)。ていうかもう「ようつべ」さんにあがってました。見ろって!


毎回短すぎる連載
早稲田通りに陽は落ちて


誰に言っても信じてもらえないどころかネタだと思われているのだが、人見知りである。行動する前に自分で結果を想像してしまうタイプなのだ。以前書いていた日記を読んで、社交的と思っている人もいるかもしれないが、自分からはなかなか人を誘えない。そういう時が目立つというだけで、いつも一人でブラブラしている。日記には書かなくとも、ひとり「ニュー浅草」のカウンターで週刊誌を読んだりしている。そういう楽をしてしまう。だから、顔見知りでもなかなか声をかけれなかったり、軽い挨拶だけで長い日々が続くこともある。話したいことがたくさんあるというのに。お願いしたいことがある時だってある。でも、自分は黙っている。そういう期間が長く続くと、ちょっとしたことで関係が壊れてしまう時もある。そういう時ほど自分が嫌になる時はない。それでも、ほんの少しの勇気がなくて、いろんな人との、何かの「きっかけ」を今も待っているだけなのだ。少し前、いつも緊張してしまい、あまり本音で話しかけることができないある人との「きっかけ」が生まれた。自分は明日6日、その人とトークショーをする。


現世図書館〜買いました、読みました


▼【寄贈】【読了】辛酸なめ子『おでかけセレビッチ』(文藝春秋
ある方からいただく。「週刊文春」連載の単行本化。辛酸なめ子は好きなのだけどこの連載はあまり好きではないのでした。でもビックリ。まとめて読んだら面白い……。このコラムタイトル、いいなぁ「山崎邦正を知的にしたようなセラピスト氏が登場」。あと、あいかわらずなめ子先生、コスプレが全部似合いすぎ。


▼【読了】三浦しをん『極め道』(知恵の森文庫)
文庫オリジナル。時の流れは速い、と思いました。


▼【読了】五十嵐太郎『美しい都市・醜い都市』(中公新書ラクレ
日本橋上の首都高速移設を疑う」「東京の色彩と広告」が面白かった。美のことを本質的には考えない利益誘導型の政治介入景観論批判。後半に行くに従い少し専門的。長澤まさみ杉田かおるになっていく感じ(ホントかよ)。


編集後記
ハルミンさんも出ているし、火星の庭の前野さんも参加しているので、挨拶がてら、昨日おこなわれた「古本女子サミット」に参加してきました。これ以上ないというほどに自分は「場違い」でした・・・。